デジタルサイネージは、近年さまざまな場所で目にする機会の多い注目の広告媒体ツールです。高い訴求力が期待でき、紙媒体に比べて情報更新がしやすいなどのメリットも多く、導入する企業や店舗も増えています。
ここでは、デジタルサイネージの仕組みやメリットについて、実際の活用事例をふまえて詳しく解説していきます。デジタルサイネーを導入しようとお考えの方はぜひお役立てください。
デジタルサイネージとは何か
「デジタルサイネージ」は、電子機器を用いて画像や動画を表示する広告ツールです。日本語では「電子看板」とも呼ばれます。
近年では、駅や公共施設、大型ショッピングモールなど商業施設のほか、ホテルや病院、各種イベント会場など、街中で目にする機会も増え、屋内外を問わず多方面で活用されています。
ポスターや看板との違いとは
デジタルサイネージは、ポスターや看板などの印刷物と違い、季節や状況に合わせて刷り直したり、貼り替えたりする必要がありません。動画はもちろん、スライドショーにも対応し、一定の文字量を読ませたい場合には静止画にすることも選択できます。
用途に合わせてBGMをつけることも、情報を音声にして発信することも可能です。
4種類のデジタルサイネージ
デジタルサイネージは、以下の4種類に分類されます。ここでは種類ごとの特徴について説明します。
スタンドアロン型
スタンドアロン型は、コンテンツを保存したUSBメモリやSDカードなどを本体に挿し込んで表示する方法です。取り込んだデータを利用するので、ネットワークに繋ぐ必要がありません。
コンテンツの更新に時間を要するため、更新頻度によっては不向きと言えます。ですが、シンプルな仕組みで複雑な操作もなく、初心者にも導入しやすいのが特長です。
ローカルネットワーク型
ローカルネットワーク型は、ネットワークに接続してディスプレイを表示する方法です。ネットワークを介するので、遠隔から複数のディスプレイを同時に操作することが可能です。
データ更新の素早さ容易さがメリットで、リアルタイムでの情報発信が必要なシーンに適しています。利用には、ネットワークに接続するための機器や、コンテンツを受信する端末が必要です。
クラウド型
クラウド型は、クラウドにアップロードしたコンテンツをネットワーク経由で配信する方法です。外部のクラウドサービスを利用するため、社内にサーバーを設置する必要がなく、サーバー不具合にも管理会社が対応してくれるため、省スペースで人的な手間も省け、初期費用も抑えられます。
ただ、サーバーのセキュリティや利用期間を自社でコントロールできないという欠点があります。
インタラクティブ型
ローカルネットワーク型に、最新の機能を搭載したのがこのインタラクティブ型です。遠隔操作はもちろん、ユーザーがタッチパネルを操作して情報を選んだり、センサーが人の動きを感知して表示を変えたりと流動的な配信ができます。
ユーザーが望む情報をピンポイントで届けられるのが強みですが、初期費用やランニングコストは他と比べて高額です。
デジタルサイネージを導入する7つのメリットとは
実際にデジタルサイネージを導入した場合、期待できるメリットを7つ紹介します。
1.見る人に多くの情報が届けられる
静止画であるチラシやポスターは、盛り込める情報量に限りがあります。時間と労力をかけてデザインしたポスターでも、よほど興味のある内容でない限り、立ち止まってまで見る人は多くないでしょう。
デジタルサイネージは、動画や複数の画像の切り替えによって、配信できる情報量が多く、短時間でも見た人の記憶に残る表現が可能です。また、静止画よりも、表現の幅も広がるのもメリットの一つです。
2.目に留まりやすい
人は動いているものに目を向けがちです。デジタルサイネージの動きのあるコンテンツは、さまざまな宣伝物が溢れる街中でも人目を引くでしょう。
また、暗い場所では見えづらいポスターと比べて、デジタルサイネージのディスプレイは明るいため夜でも見やすく、遠くからでも目立ちます。
3.手間やコストの削減になる場合もある
ポスターやチラシには、用紙代、印刷代に加え、デザインや撮影などを含めた制作コストがかかります。さらに、内容の修正や差し替えに人件費や労力がかかることもあるでしょう。
デジタルサイネージは、データの差し替えのみで内容の更新が行えるため、紙媒体と比較して手間やコストが抑えられる場合があります。
4.リアルタイムで新しい情報が届けられる
ネットワーク型のデジタルサイネージでは、インターネットに接続して読み込んだコンテンツをディスプレイに表示します。そのため、リアルタイムで最新の情報を配信できるのです。
また、複数箇所に設置したデジタルサイネージを一拠点から操作できるため、広告の一括管理、内容の統一が容易に行えます。
5.ターゲットに合わせた広告が打てる
広告は、その内容が見る人の求める情報に合致したときに、より高い広告効果を発揮します。デジタルサイネージは、曜日や時間帯によって表示内容を変えられるので、「その時間」の「その場所」にいる人の傾向をふまえて、ターゲットの属性に合わせたコンテンツを配信できます。
6.ユーザーのアクションと連動できる
インタラクティブ型のデジタルサイネージでは、ユーザー自身がタッチパネルを操作して情報を取捨選択できるなど、ユーザーのアクションと連動し、コンテンツが多彩に変化します。
また、モーションセンサーが人の動きを感知して、ユーザーとコミュニケーションが取れるため、多くの人が行き交う大型商業施設や公共交通機関などで導入が進んでいます。
7.設置場所の制限が少ない
近年、さまざまな場所でデジタルサイネージの設置が見られることからも、デジタルサイネージが設置場所を選ばないことがわかります。電気があり、人の目が届く場所であれば設置は可能です。
人と機器、両方の安全を確保できれば、屋内屋外も問いません。設置場所の制限が少ないことも普及が広がっている理由です。
デジタルサイネージの効果的な活用方法
デジタルサイネージをより効果的に活用するために欠かせない3つの方法を解説します。
コンテンツに動きをつける
コンテンツには動きをつけることをおすすめします。デジタルサイネージでは、動画やスライドショーの再生が可能です。
紙媒体との差別化という点からも、コンテンツには動きをつけるべきです。動きのあるコンテンツは、道行く人の目を引くでしょう。
曜日や時間によってコンテンツを変える
ターゲット層からずれた内容の情報発信では、広告効果は減少してしまいます。同じ場所であっても、曜日や時間帯によって変化するターゲットの属性に合わせ、コンテンツを変えることでより効果を発揮できるでしょう。
質の高いインパクトのあるコンテンツにする
デジタルサイネージが効果を最大限に発揮するには、他との差別化が重要になります。クオリティの高いデザインは広告効果を高めるために必須の条件です。
さまざまな機能を組み合わせて、よりインパクトのあるコンテンツにしましょう。
デジタルサイネージを導入する際の注意点
デジタルサイネージを導入する際に注意すべき点を解説します。
1. 屋外設置には法規制の確認がいる
デジタルサイネージを屋外に設置する場合、法規制の確認が必要です。設置場所を検討する際には、設置目的やマーケティングといったものと合わせて、各自治体が定める条例に従って仕様を決定する必要があります。
2. 初期費用に加えて維持費がかかる
デジタルサイネージ本体や周辺機器の購入、設置環境の整備に初期投資が必要です。運用にあたっては維持費もかかります。
これらの費用は本体のスペックによっても異なるため、費用対効果を含めた予算の検討がマストです。
3. 故障する恐れがある
デジタルサイネージを屋外に設置した場合、台風や豪雨など荒天候によって故障したり、街頭に設置したデジタルサイネージに人がぶつかって故障したりすることがあります。修理費が高額となる場合もあるため、管理には注意が必要です。
デジタルサイネージの活用例【事業別】
デジタルサイネージの実際の活用例を事業別に紹介します。
1.駅構内
広告や周辺施設の案内などのデジタルサイネージ化が進んでいます。動画の再生や静止画に動きをつけたりすることのできるデジタルサイネージは、情報が溢れる駅構内でも目立ち、駅を利用する多くの人に広告を印象づけられます。
2.医療機関
病院内のデジタルサイネージは、感染症への注意喚起を行ったり、予防医療の観点から正しい生活習慣をうながす動画を配信したりなど、来院者の健康づくりのお手伝いができると同時に、待ち時間のストレス軽減にも一役買っています。
3.スーパーマーケット
スーパーマーケットは扱う商品の種類が多く、それぞれの売り場に合わせたコンテンツ作りが必須です。魅力的な商品紹介は見た人の購買意欲に直結します。
食材や調味料など、複数の商品をアピールできるレシピ動画は人気のコンテンツです。
4.小売店
百貨店の催事やアパレルショップのセール情報など、頻繁に告知が必要な業態では、紙媒体よりデジタルサイネージが合理的です。日時やイベント内容の急な変更にも、デジタルサイネージなら容易に対応可能です。
5.商業施設
簡単にコンテンツを変えられるという強みを活かし、日時客層に合わせた臨機応変な宣伝のため、デジタルサイネージが取り入れられています。施設の出入り口に設置し、楽しそうな雰囲気を通行人にアピールしたり、季節を取り入れた空間演出にも活用されています。
6.空港
国内外から多くの利用客が訪れる空港では、多言語対応のデジタルサイネージを導入し、外国語のできないスタッフでも、海外からの利用客に案内ができるようになりました。利用客が主体的に情報を得ることもできるので、空港の利便性も高まります。
効果的に運用するなら業者への依頼がおすすめ
デジタルサイネージには多くのメリットがあり、活用シーンもさまざまあることがわかりました。これからデジタルサイネージを導入しようと考えている場合は、効果的な運用のためにも、プロの業者に依頼することをおすすめします。
PowerPointなどを使ってコンテンツを自社で作成し、低コストで済ませることも可能です。しかし、集客や宣伝といった本来の目的を達成できなければ本末転倒です。
多くの情報を整理して、厳選した要素を見やすい内容に仕上げるのは、経験がなければ限界があります。プロに依頼すれば、魅力的なコンテンツに仕上げてもらえます。
デジタルサイネージを最大限に活用した高品質のコンテンツで、望む結果を得られるでしょう。
【まとめ】デジタルサイネージを効果的に使って売上アップ
デジタルサイネージの効果的な運用方法を紹介しました。デジタルサイネージを使って、集客や売り上げアップなどの結果を得るには、ただ導入するだけではなく、クオリティの高いコンテンツを作る、配信する時間でコンテンツを変えるなど、他社との差別化を図ることが重要です。
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