DMの開封率とは?開封率と反応率に関するデータや向上させるポイントなど詳しく解説

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DMの開封率とは、発送したDM数に対する開封されたDM数の割合を指します。開封率が向上すれば、それだけ費用も効果も高まります。

この記事では、企業担当者に向けて、DMの開封率を向上させるために必要な4つポイントを紹介します。DMの反応率についてもあわせて解説しているので、ぜひ参考にしてください。

当記事の目次

DMの開封率とは

DMの開封率とは、発送したDMの数に対して、開封された数の割合のことです。いくら多くのDMを発送したとしても、顧客に開封されなければ意味がありません。DMの開封率を算出するには、次の計算式を使います。

(開封数÷有効配信数)×100%

DMの開封率に関するデータ

一般社団法人日本ダイレクトメール協会が2020年に行った調査では、自分宛・家族宛を含めたDMの開封率は54.3%、本人宛の開封率は63.1%という結果が出ています。なお、前年度の開封率は自分・家族宛57.7%、本人宛74.0%となっており、微減傾向であることがわかります。[注1]

DMの開封率を影響するのは「ターゲットとの関係性」

DMの開封率は、DMを受け取るターゲットとの関係性によって受容度(受取意向)が変化します。

DMには、大きく分けて「顧客向け」「代行リスト」「名簿リスト」「無記名」の4タイプがあります。なかでも顧客向けDMは、73.5%と受容度が高い傾向にあり、代行DM(49.0%)の約1.4倍、名簿リスト(20.5%)の3.7倍、無宛名(14.5%)の4.5倍です。[注1]

コロナ禍におけるDM開封率の変化

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によって、家で過ごす時間が増加していることで、DMの開封率にも変化が起きました。2019年から2020年にかけて、若年層を中心とした男女27.6%がDM開封割合の増加を自覚しています。[注2]

DMがBtoBマーケティングに効果的な4つの理由

紙媒体を利用して視覚的に訴えるDMは、BtoBマーケティングを行うにあたって、新規顧客獲得に効果的な施策の1つです。DMが効果的な理由としては、次の4つが挙げられます。

開封率が高い

さきほど説明したとおり、自分宛て・家族宛てを含めたDMの開封率は54.3%、本人宛の場合は63.1%でした。この調査結果を見ても、ターゲットを絞ったDMは開封・既読される可能性が高いといえるでしょう。

上記はBtoC向けのDMについての調査ですが、BtoB向けのDMを発送する際も同様です。ターゲットを絞ることで開封率を高め、顧客に情報が届きやすくなります。

費用対効果が高い

コロナ禍におけるDMの費用対効果について、以前より高くなったと実感する企業は増加しています。

株式会社ネオマーケティングの調査では、FAXを利用したDMについて、58.1%が効果を得たと回答しています。また、郵送では28.1%、オフライン広告で29.8%の企業が効果を実感したと答えており、DMがクロスメディアの起点となる効果も期待できます。[注3]

MAを活用する企業が増えている

メールを使ったDMについては、MA(マーケティングオートメーション)を導入する企業が増えています。MAとは、マーケティング活動を自動化するツールのことです。新規顧客の発掘や見込み客の育成ほか、収益向上を目的とした幅広いマーケティング施策が可能になります。

行った施策に対しての効果測定もしやすいため、効率的なマーケティング活動ができるでしょう。

ビジネスパーソンはメールに費やす時間が長いため

一般社団法人日本ビジネスメール協会が2020年度に実施した調査によると、ビジネスパーソンがメールに費やしている時間は「毎日2時間29分」という結果が出ています。1日の所定労働時間を8時間とした場合、30%以上の時間をメールに費やしていることになります。[注4]

それだけメールを使ったDMは目に止まりやすく、開封してもらえる可能性が高いツールということがわかります。

開封率が低いDMの特徴

開封率が低いDMには共通点があります。次の2つの特徴に該当する場合は、DMのレイアウトや内容について考え直すべきでしょう。

魅力や注文方法がわかりにくい

DMを発送した先には。自社のDMだけでなく、さまざまな企業からDMが送られている可能性があります。複数のDMのなかから自社のDMを開封してもらうには、受取手にとって「メリットがある」と思わせなければなりません。

ただ商品やサービスの紹介をするだけなく、ひと目で興味を引くようなレイアウトや、提供商品・サービスの魅力を十分にアピールしましょう。

また、注文方法をわかりやすく示し、問い合わせ先や営業時間を明記することも大切です。

形式的な挨拶文から始まる

DMの書き出しは受取手の関心を引くための重要なポイントです。形式的な挨拶文から始まるDMではなく、受取手が「もっと読みたい」と思うような文章を載せましょう。

「特別なお客さまへのご案内」など特別感のある演出や、「30〜50%オフの会員限定セール」といった具体的な内容を全面に出してアピールすることが大切です。

DMにおいて開封率を向上させる4つのポイント

ただ数多くのDMを発送するだけでは開封率は向上しません。ターゲットを絞ったり、興味を引く情報を入れたりなど、さまざまな工夫が必要です。

ターゲットを絞る

DMの開封率を上げるためには、まずは提供する商品・サービスに合わせてターゲットを絞ることが大切です。

DMでアンチエイジング系のスキンケア商品を宣伝するケースを考えてみましょう。ターゲットを「30代以降の女性」「肌のハリやシワに悩んでいる人」と具体的に絞り込んで発送することで、DMの開封率アップが期待できます。

自社の商品・サービスを客観的に捉え、強みやその魅力を理解したうえでターゲットを適切に判断しましょう。

ターゲットの興味を引く

DMの開封率を上げるためには、ターゲットの興味を引くような情報を入れることが大切です。特典や会員限定のお得情報をアピールしましょう。

また、内容だけでなく、DMのデザインやレイアウトに工夫を凝らし、受取手に「開けてみよう」と思わせることが重要です。

開封・閲読されやすい形状にする

工夫のないデザインやレイアウトのDMは競合他社のDMと似通ってしまい、埋もれてしまいがちです。しかし、デザインに凝りすぎて開封に手間かかると、開封してもらえない可能性があります。切り取り線にミシン目を入れるなどの工夫が必要です。

また、既読されやすいはがきタイプ(42.6%)、A4サイズ未満の封筒(24.4%)のDMを発送するのもおすすめです。[注5]

タイミングを意識して送る

DMは、発送するタイミングも大切です。ターゲットが商品・サービスに興味を持つタイミングを意識して発送すれば、開封率もアップするでしょう。

DMのターゲットが個人であるなら、給料日や利用周期に合わせて発送することで、開封率や既読後の注文数アップにつながる可能性があります。

DMの反応率(レスポンス率)とは

DMの反応率(レスポンス率)とは、発送したDMの数に対し、会員登録や購入などの反応があったDM数のことです。ただDMが開封されただけでは、反応率の向上にはつながりません。
反応率は、次の計算式で算出したものです。

レスポンス数÷総DM数

たとえば5,000通のDMを送り、うち500件の注文につながったとします。その場合は500÷5,000=0.1で、およそ10%の反応率ということになります。

DMの反応率に関するデータ

BtoCのDMを受け取ったターゲットの行動喚起の割合は、「インターネットで調べた(6.7%)」「家族や友人等との話題にした(3.9%」「来店した(1.4%)」など、全部で15.1%(受取DM総数1,937通中292通)でした。[注1]

購入や会員登録、資料請求といった「目に見えるレスポンス」のほか、発送側が把握しにくい行動喚起も多いため、算出できる反応率よりも実際のDM効果は高いということがわかります。

紙DMの反応率

紙DMの反応率について、年齢別行動喚起の割合を見ると、男性20代59.4%、女性は20代が24.8%、30代が33.1%と、若年層に対して高い効果を示しています。その理由としては、膨大に送られてくるEメールDMに比べて目に止まりやすいほか、所有感やデザイン性の高さなどが挙げられます。[注5]

インターネット世代である若年層こそ、紙DMに対する好感度が高い傾向にあるという結果が出ています。

WEBアクセス型DMの反応率

WEBアクセス型DMとは、QRコードやARによってWEBへ誘導するタイプのDMです。WEBアクセス型DMを受け取ったことがある人の割合は、全体の63.5%です。そのなかで実際にアクセスした人は3.8%となっています。

性別・年代別に見ると、男性20代が最も割合が高く、受取経験率81%以上、アクセス率は56%です。[注5]

DMの反応率を向上させるポイント

DMの反応率は、ターゲットである顧客が開封しただけでは向上しません。開封後の行動喚起につなげるためには、次の4つのポイントを押さえましょう。

ターゲットに合わせたサービスを紹介する

開封率同様、ターゲットを絞り、ニーズに合わせることが重要です。DMを発送するターゲットの性別や年齢、趣味、悩みなどから、ニーズに合った商品やサービスを紹介することで、DMを開封・既読したあとの行動喚起を促します。

商品の購入方法や店舗情報、お問い合わせ番号などはわかりやすく記載しましょう。

信頼性の高い内容にする

届いたDMが知らない企業である、なにをやっているかわからない企業である場合、ターゲットに開封してもらったとしても、行動喚起に至るまでにはならないでしょう。ターゲットの視点に立ち、実績やデータを客観的な視点でメリットを伝え、情報の信頼性を高めることが大切です。

オファーを入れる

無料お試しトライアルや値引きなどがあると、商品・サービス等を体験したいと考える企業も増えます。より気軽に反応をしてもらえるため、接点をつくるためには有効な施策です。無料体験時に魅力を伝えられれば、成約に結びつく確率も高くなるでしょう。

無料のお試しトライアルや限定の特典などは、ターゲットである顧客の関心を引きつつ、反応をもらいやすくなるDM施策の1つです。オファーをきっかけに商品やサービスの魅力を伝えられれば、購入や成約につながるきっかけとなるでしょう。

クロスメディアを活用する

LPサイトや動画へ誘導し、商品やサービスの魅力を文章だけでなく、視覚的に伝える方法をクロスメディアといいます。クロスメディアの活用は、メールDMにおける有効な施策です。URLやQRコード、ARを添付する場合は、Z字、N字、F字など視線誘導に合わせ、目につきやすくすることがポイントです。

DMで集客率を向上させるための施策

DMをきっかけに集客率を向上させるには、QRコードやARを活用し、WEBページにアクセスしやすくすることがポイントです。

QRコードの掲載

DMからWEBページへどれだけスムーズに誘導できるかは、集客率を左右する大きなポイントです。

QRコードを掲載すれば、バーコードを読み取るだけでWEBページにアクセス可能です。そのため、DMを既読したユーザーが、関心や購買意欲を維持しやすく、商品購入や成約につながりやすいというメリットがあります。

ARの活用

ARとは、デバイスを使って目の前にバーチャルな視覚情報を展開する「拡張現実」のことです。ARを活用すれば、DMには掲載できない詳細な情報の提供や、AR動画による視覚に訴えたアピールが可能になります。ターゲットに商品やサービスの魅力をより多く伝えることができます。顧客体験が向上すれば、商品やサービスに対する理解度も高まるでしょう。

DMの効果測定方法

DMの開封率や反応率に関する解説の中で、それぞれの算出方法について言及しましたが、DMの効果測定には、ほかにも次のような方法があります。

CPO(Cost Per Order)

CPOは、1件受注するために費やしたコストのことです。顧客獲得単価とも呼ばれており、カウントの対象は初回の購入のみとなり、次の計算式で算出します。

CPO = 総DM費÷購買レスポンス件数

BEP(Break Even Point)

ここでいうBEPとは、コスト回収に最低限必要な受注件数(損益分岐点)のことです。算出方法は次のとおりです。

BEP = 総DM費 ÷ 粗利単価

【まとめ】開封率向上を目指してクオリティの高いDMを作成しよう

DMはBtoBマーケティングに効果的な施策の1つです。DMの開封率を向上させるためには、ターゲットを絞り、ニーズに合った内容にすることで、興味や関心を引くことが大切です。また、開封しやすい工夫や発送するタイミングにも気を配りましょう。

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[注1]DMメディア実態調査2020|日本DM協会
→ https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2021-000018.pdf

[注2]DMに関する生活者調査(2020年度)調査結果レポート|トッパン・フォームズ株式会社
→ https://www.toppan-f.co.jp/news/pdf/2021/0304.pdf

[注3]BtoB企業のマーケティング施策に関与する1000人に聞いた「コロナ前後のBtoB企業のマーケティング活動に関する調査」|株式会社ネオマーケティング
→ https://neo-m.jp/investigation/2716/

[注4]ビジネスメール実態調査2020|一般社団法人日本ビジネスメール協会
→ https://businessmail.or.jp/research/2020-result/

[注5]【第8回】ダイレクトメール(DM)の開封率は?最新情報。WEB誘導型DMで集客率アップ|DM専門発送代行 株式会社ジャパンメール
→ https://www.japanmail.co.jp/column/5080.html